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きのうの神さま


きのうの神さまきのうの神さま
(2009/04/16)
西川美和

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人物描写
心象風景
人間のあらゆる面を描いて掘り下げる作家
映像的で文学的
こんな表現方法ができる人って…西川美和


【1983年のほたる】
一気に感情移入できるところ、そのギャップに驚く
時間軸の流れと説明が交互で、
説明の長さに若干いらついたけど、
読み終わった時に泣きそうになったのはなぜ?

初めから終わりまで、ヒンヤリした空気感

美しい人に憧れるようになってから、
親しくしてた知り合いをうとましく思う表現
「佐野さんの鼻の下にうっすら生えそろっている黒い産毛が、
 かすかに揺れていた」
「えり元に、給食のミートソースや、習字の墨汁…」
「スカートの長さや、ズボンのやぼったさが、
 だんだんがまんできなくなってきた」

一之瀬時男の異様さとそのギャップ
いきなりベラベラと喋りだしたと思ったら
「よくしゃべるのにも驚いたけど」と主人公に言わせてる。

田舎の物語にはよく登場する知能の後れた大人。
シゲちゃん

読み終わって何週間も経つけれど、
夜の田舎道の映像が強く浮かんでいる一編。



【ありの行列】
導入部の、
村人と出会う描写が強い

漁師たちのまなざしで、
子供の頃に帽子を取った安芸の宮島のサルを思い出すって!
田舎に住む人間のある種排他的な頑なさを、
こんなふうに表現できるって!

田舎の人間の朴訥さと老獪さ
病気が「恥」だった時代から「情報」の時代への変化
生きることと死ぬことが日常にある人間のたくましさ
医師を志した時の青臭い想い

が浮かび上がる一編



【ノミの愛情】
医師の夫をもつ、救急看護師だった妻の飢餓感
夫の医師としてのプライド
自分が日々磨いた階段で滑り落ちた夫を処置する時の活き活きさが、
これは…
男が読むと怖いもの?
私は楽しめた。
かなり。



【ディア・ドクター】
オススメ!

映画を観てから読んだので、
『番外編』を観させてもらった感じ。

愛に溢れた一編
兄弟なのに父親との関係の在り方がそれぞれ違う親子

父が病院に運ばれた電話を受け取った時
「受話器を握る手の平の汗腺が一斉に開き、
 ちりちりと痒みが走った」

兄の面白さを分かってほしいシーン
「不意打ちが命の芸なのに」
「やります」なんて言って。
「兄の担任の先生が、叱りつけるのをいったん後回しにして、
 とりあえず腹を抱えて笑ったというあの勢いで」

若い看護師と年配の看護師の描写

弟が気づく
「兄は、長い長いトンネルを抜けて、蒼く、広い空の下に出ていたのだ」

最後に本当の父


これは宝物になった一編だった。
弟の気持ちで泣けた。
沁みた。



【満月の代弁者】
ラストが分かりにくかった

田舎を知り尽くした医師と
研究者から医師に転向した新米中年医師

青臭い理想があるように思えた中年医師
「引き継ぎますよ。
 あのやり手のお嬢さんがどんなに色んなことを調べてきて、
 詰め寄ってきても、私は絶対に負けません」

この言葉で一気に読後感が良くなった一編




収録5編

近年稀に心動かされる物語と出会えた。
良かった。
読み終わるのがもったいなかった一冊。





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